fx 初心者 一度きりの螢 One-time Firefly

 

 写真詩集第二部「不屈の太陽」編 Photo & Poem Part-II - 1/2


 

覚悟の赤とんぼ

 

 

捨てきれないものがあるから
耐えていける
諦めきれないものがあるから
歩いていける

 

だから……
ひとは運命の赤とんぼ

 

透き通った羽と羽根の狭間で
格子状に絡み合う生命の地図は
まるで静脈と動脈の交差する
原始プリズムのように
青い空と白い雲だけを
永遠に映し出す

 

遠くで待っているひとがいるから
素直になれる
遠くに求めるべきものがあるから
夢に近づける

 

から……
ひとは試練の赤とんぼ

 

重なり合った天と地の狭間で
螺旋状に共鳴し合う生命の息吹は
まるで現実と虚構を織り成す
アルゴリズムのように
青い火口湖の上で白い砂塵を
無尽蔵に撒き散らす

 

捨てきれない想いがあるから
ひとはじっと耐えていける
諦めきれない何かがあるから
ひとは直向きに歩いていける

だから……
たとえ這いつくばってでも……

ひとは  捨て身の赤とんぼ

一度もがれた羽には未練などない

ただ……
想いはつのる あの日に帰りたい……

だから  
ひとは  我慢の赤とんぼ
もう一度あの大空に舞い戻るために
二度と希望を捨てない
捨てられない

 

 

人は  
その想いが強ければ強いほど
より遠くまで意識を運び
別の場所にまた新たな原型を築こうとする
そして  ふたたび  そこに不死の魂を宿すのだ
更に純粋さと強靭さを増して

 

 

だからこそ!
這ってでも前に進む!
僕だって  宿命の赤とんぼ
捨てきれない想いがあるから
こうして……生きていける

この想いが強ければ
この想いが真実ならば
この想いが正しい道であるならば

いつか羽根は自力で再生できるだろう
そしてふたたび飛んでみせるさ 
生ある限り 

二度と折れない澄みきった青空と
「勇気と信念」 という名の羽紋を持つ……あの

 

覚悟の赤とんぼのように

 

 

 

 

 

 

 

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最新更新日: 2010年12月18日 18:47

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