日本の神々はいったい何処に消えてしまったのか?
僕は、ふとそう思いながら、古い街の路地裏に紛れ込んでみた。
何気なく視界に飛び込んでくる無数のガラクタ、大量生産化された陳腐な工芸品の山、
屑鉄に近いバイクの残骸、意味もなく置き去りになった椅子、無造作に陳列されたカツラ、古めかしい映画館。
そして、その横を奇々怪々として通り過ぎる年齢不相応に厚化粧した女学生と、陰気で無気力そうな学ラン男子。
嘗て、この国には希望と信念に満ち溢れた美しい若者たちが闊歩する時代があった。
神風が本当に吹き荒ぶ時代があったのだ。
今や、その崇高な精神と魂は薄汚れた陳列棚と年老いた人々の記憶の片隅で忘れ難い「神話」となり、
暗闇の中で悲痛な叫び声を挙げている。
そして、死に場所を失ったゾンビたちの新たな鼓動と激しい息づかいと共に、
薄い透明なレンズを通して僕の心の奥底から再び陽の当たる外界に突き出ようと、
必死にもがき苦しんでいるようだ。
001 浅草観音浅草寺(せんそうじ)雷門前の柳
002 雷門(風雷神門)
003 大提灯(底部)の龍(金龍山)の彫り物
004 雷門裏手
005 仲見世通りの天幕
最新更新日: 2011年01月08日 18:33
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